こんにちは。社会保険労務士法人MIKATAです。
2026年も下半期に入り、10月にはカスタマーハラスメント対策の義務化をはじめ、人事労務に関わる法改正が相次いで施行されました。
一方で、2027年以降も社会保険の適用拡大や雇用保険の加入要件の見直しなど、企業の人件費や手続きに影響する改正が段階的に予定されています。
中には施行まで1年を切ったものもありますので、今後のスケジュールを一度整理しておきましょう。
2026年10月以降の主な法改正一覧
2026年10月~12月
| 施行時期 | 項目 | 根拠法 | 企業の対応ポイント |
|---|---|---|---|
| 2026年10月 | カスタマーハラスメント対策の義務化 | 労働施策総合推進法 | 方針の明確化・相談体制の整備等 |
| 2026年10月 | 求職者等に対するセクハラ対策の義務化 | 男女雇用機会均等法 | 面接・インターンシップ時のルール整備等 |
| 2026年10月 | 労働条件明示事項の追加等 | パートタイム・有期雇用労働法 | 労働条件通知書の見直し |
| 2026年10月 | 社会保険の賃金要件(月額8.8万円)撤廃 | 健康保険法・厚生年金保険法 | 北海道は最低賃金の上昇により実質的な影響なし |
| 2026年10月 | 短時間労働者の社会保険料負担軽減措置(最大3年間) | 健康保険法・厚生年金保険法 | 活用の検討 |
| 2026年10月 | 北海道最低賃金 1,131円 | 最低賃金法 | 時給者・月給者の時間単価の確認 |
| 2026年12月 | 公益通報者保護法の改正 | 公益通報者保護法 | 内部通報規程の確認 |
| 2026年12月 | 企業型DC拠出限度額の引上げ(月5.5万円→6.2万円) | 確定拠出年金法施行令 | 掛金設定の見直し検討 |
2027年以降
| 施行時期 | 項目 | 根拠法 | 企業の対応ポイント |
|---|---|---|---|
| 2027年9月 | 標準報酬月額の上限引上げ(65万円→68万円) | 厚生年金保険法 | 役員・高報酬者の保険料増の試算 |
| 2027年10月 | 社会保険の適用拡大(従業員36~50人) | 健康保険法・厚生年金保険法 | 対象パートの洗い出し・人件費試算 |
| 2028年4月 | ストレスチェックの実施義務化(50人未満の事業場) | 労働安全衛生法 | 実施体制・委託先の検討 |
| 2028年9月 | 標準報酬月額の上限引上げ(68万円→71万円) | 厚生年金保険法 | 役員・高報酬者の保険料増の試算 |
| 2028年10月 | 雇用保険の適用拡大(週10時間以上) | 雇用保険法 | 短時間勤務者の加入手続き準備 |
| 2029年9月 | 標準報酬月額の上限引上げ(71万円→75万円) | 厚生年金保険法 | 役員・高報酬者の保険料増の試算 |
| 2029年10月 | 社会保険の適用拡大(従業員21~35人) | 健康保険法・厚生年金保険法 | 対象パートの洗い出し |
| 2029年10月 | 非適用業種の個人事業所(常時5人以上)への適用 | 健康保険法・厚生年金保険法 | 新設事業所が対象(既存は当面対象外) |
| 2032年10月 | 社会保険の適用拡大(従業員11~20人) | 健康保険法・厚生年金保険法 | ― |
| 2035年10月 | 社会保険の適用拡大(従業員10人以下) | 健康保険法・厚生年金保険法 | ― |
※2026年10月時点の情報です。施行時期は今後変更となる場合があります。
特に早めの準備をおすすめしたい3つの改正
① 社会保険の適用拡大(2027年10月/従業員36~50人の企業)
施行まで1年を切りました。
対象となる企業では、週20時間以上働くパート・アルバイトの方が新たに社会保険の加入対象になります。
対象者の洗い出しと会社負担分の試算に加え、手取り額が変わる従業員本人への説明や、今後の働き方の希望確認にも時間がかかるため、早めの着手が安心です。
② 標準報酬月額の上限引上げ(2027年9月から段階的に)
厚生年金保険の標準報酬月額の上限が、2029年9月にかけて65万円から75万円へ段階的に引き上げられます。
高報酬の役員・従業員がいる企業では、会社負担の保険料が増えることになりますので、役員報酬や給与の設計を見直す際の参考にしてください。
③ ストレスチェックの義務化(2028年4月/従業員50人未満の事業場)
現在は努力義務となっている従業員50人未満の事業場でも、2028年度からストレスチェックの実施が義務化されます。
施行はまだ少し先ですが、小規模事業場では、実施者となる医師・保健師等の確保や外部委託先の選定、実施費用の予算化などが必要になりますので、今のうちから心づもりをしておきましょう。
おわりに
法改正への対応は、施行直前になって慌てることのないよう、計画的に進めることが大切です。
「自社がどの改正の対象になるのか知りたい」
「具体的にどんな風に進めればよい?」
といったご相談がありましたら、お気軽に担当者までお声がけください。