「産休期間中の社会保険料免除」が、次世代育成支援の観点から出産前後の経済的負担を軽減し、子どもを産みながら働きやすい環境を整えることを目的として「社会保障・税一体改革成案」に盛り込まれ、8月10日に成立し、22日に公布されました。
これにより、産休期間中の厚生年金保険料・健康保険料が労使ともに免除されることになりました。
施行日は「公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日」となっており、現時点では明らかになっていません。
「産前・産後休業期間中の保険料徴収の特例」とは、厚生年金の被保険者について、育児休業期間中に加え、産前・産後休業期間中(産前6週間〔多胎妊娠の場合14週間〕、産後8週間のうち、被保険者が業務に従事しなかった期間)も、同様に年金保険料が免除(健康保険料についても同様)され、将来の年金給付に反映させる措置を行うというものです。
なお、保険料の免除は被保険者の申出によって行われ、事業主および被保険者双方の保険料が対象です。
「産前・産後休業を終了した際の標準報酬月額改定の特例」とは、育児休業後についての措置と同様、産前・産後休業終了後に育児等を理由に報酬が低下した場合に、定時決定まで保険料負担が改定前のものとならないよう、産前産後休業終了後の3カ月間の報酬月額を基に、標準報酬月額が改定されるというものです。
なお、育児休業終了後についても同様の措置がとられます。
改正による効果としては、「産休期間中の社会保険料」という負担が労使ともになくなること、実賃金に比して割高な社会保険料負担が短期間で是正されることが挙げられます。
また、すでに実施されている「育児休業期間中の社会保険料免除」と相まって、女性にとって、出産から育児までの期間について、仕事との両立の道筋が見えやすくなる点が大きな効果と言えるでしょう。