公益財団法人日本生産性本部の「メンタル・ヘルス研究所」は、全国の上場企業(2,140社)を対象に実施した「メンタルヘルスの取組み」に関するアンケートの調査結果を発表しました。
この調査で、最近3年間における心の病が「増加傾向」と回答した企業は37.6%で、前回調査(2010年)の44.6%から減少し、「横ばい」と回答した企業は51.4%で、前回調査の45.4%から増加したことがわかりました。
メンタルヘルスへの企業の取組みが成果をあげている一方で、依然として企業は「心の病」を有する従業員を数多く抱えています。
今回の調査では、これまで最も「心の病」が多い年齢層であった「30代」の割合が58.2%から34.9%に減少する一方、40代の割合が22.3%から36.2%に増加しています。
不調者の「早期発見・早期対応」(二次予防)は企業が最も力を入れ、期待もしている取組みであり、管理職のメンタルヘルス対応としても最も期待が高いものです。
これらの効果が出ている(「十分効果が出ている」と「まずまず効果が出ている」の合計)企業は51.4%でした。「あまり効果が出ていない」「効果が感じられない」「どちらともいえない」を合わせると47.2%で、半数近くの企業では十分な効果を感じていないようです。
また、最近の「職場や働き方の変化」に関する質問では、次の3つが上位を占めました。
(1)職場に人を育てる余裕がなくなってきている(76.1%)
(2)管理職の目が一人一人に届きにくくなってきている(69.7%)
(3)仕事の全体像や意味を考える余裕が職場になくなってきている(68.3%)
組織のタテ・ヨコの結束性や、組織の継続性に大きな影響を与えうる変化が多くの企業で起きているようです。
健康でイキイキした職場づくりのため、メンタルヘルスに関する企業努力を継続していくことが非常に重要だと言えそうです。