●神奈川県がマニュアルを作成
職場のパワーハラスメント(パワハラ)問題への関心が高まる中、神奈川県では、昨年11月に知事メッセージ「ハラスメントのない職場づくりを神奈川から」を発信するなど、取組みを強化しています。
その一環として、県内の事業所におけるパワハラ対策の取組み状況等に関する実態調査を行い、その結果を踏まえた「中小企業向けパワハラ対策マニュアル」を全国で初めて作成しました。また、労働者のための啓発リーフレットも併せて作成しています。
このマニュアルを企業に提供するなど、パワハラ撲滅に向けた取組みの一層の強化を図っていくとのことです。
●パワハラの実態調査の概要
同県では、平成24年7月から9月にかけて県内1,500事業所を対象にアンケート調査を行い、県内事業所の実態を明らかにしました。以下が主な調査結果です。
・過去1年以内にパワハラの相談・苦情があった中小企業事業所は約3割(28.6%)。
・中小企業事業所の8割以上(84.5%)がパワハラ対策を経営上重要と認識しているが、3割以上(35.7%)が何も取り組んでいない。
・取組内容は、「会議や朝礼での注意喚起」がトップ(28.2%)で、「相談窓口の設置」は約2割(21.0%)、「研修・講習会の実施」は1割台(13.9%)。
●マニュアルの概要
マニュアルには、パワハラの定義、企業の責任、取組実態、予防策などについて書かれており、次のような特徴があります
・厚生労働省、神奈川県経営者協会、連合神奈川などからのメッセージを紹介し、パワハラは労使を挙げて取り組むべき問題であるという姿勢を示す。
・中小企業で活用できるよう、企業に求められる取組みをわかりやすく具体的に解説するとともに、企業や事業所の実情に応じたステップバイステップの取組方法を解説。
・実態調査を踏まえ、社員研修の実施方法や相談窓口の開設、運営について丁寧に解説。
・パワハラ対策の趣旨やポイントをまとめた小冊子「ダイジェスト版」の作成。
●その他の対応
かながわ労働センターでは、パワハラを含めた職場のトラブルについて直通電話で相談できる「労働相談110番」を開設するなどして、適切に対応できる体制の整備をしているとのことです。
~神奈川県のHPはこちら~
http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p631197.html