◆健康づくりのための「睡眠」のポイント
11年ぶりに改定されることとなった「健康づくりのための睡眠指針」では、若年・勤労・熟年の世代別に、年齢等に応じた睡眠のポイントを示しています。
勤労世代については、疲労回復・能率アップのため、毎日6時間以上8時間未満の睡眠を取るようアドバイスしています。睡眠不足が続くと「寝だめ」で回復を図ろうと考えがちですが、効果はないとしています。
また、就業時間中に眠気が生じた場合には、午後早めの時間に30分以内の昼寝をすると作業能率の改善に効果的であるとしています。
◆短時間睡眠「パワーナップ」の効用
「パワーナップ」とは、アメリカの社会心理学者ジェームス・マースが提唱する睡眠法で、時間当たりの睡眠の効用を最大限に引き出す方法とされています。
昼食後、午後3時までの間に20分の仮眠を取ると、8時間寝たのと同じくらいの疲労回復効果があり、その後の作業効率が上がるとしています。
アメリカ海兵隊にも取り入れられるほど浸透しているようで、オーストラリアでもドライバーの疲労による事故リスクを軽減するため、15分ほどのパワーナップを勧めているところがあるそうです。
◆職場で実践する場合のやり方
最も効果的なのは、昼休みの前半にランチを食べ、コーヒーを飲んでから後半に20分の昼寝をする方法です。寝る前にコーヒーを飲む理由は、コーヒーに含まれるカフェインの効果が目覚める頃に現れるようにするためです。
寝る時の姿勢は、椅子にもたれるか机に突っ伏すのが良いとされています。横になるとすぐに深い眠りに落ちてしまい、20分で起きるのが難しくなってしまうからです。
そして、最も重要なのは「20分」という時間を守ることです。昼寝時間が長くなると深い睡眠に入ってしまい、起きることが難しくなってしまいますし、夜の睡眠にも悪影響が出てしまいます。
睡眠不足が続いて疲れを感じるというときには、ぜひ試してみてください。