◆中小企業のほうが賃金改善に前向き?
帝国データバンクが発表した「2014年度の賃金動向に関する企業の意識調査」の結果によると、賃金改善を見込んでいる企業の割合は46.4%(前年度比7.1ポイント増)で、2006年の調査開始以降、最高の見通しとなったそうです。
賃金改善が「ある(見込みを含む)」と回答した割合は、意外にも大企業よりも中小企業のほうが高く、47.6%でした。
改善内容については、「ベースアップ」(34.0%)、「賞与(一時金)」(27.8%)が上位を占めましたが、こちらも中小企業のほうが割合は高く、「ベースアップ」(35.5%)、「賞与(一時金)」(28.2%)となりました。
◆3社に1社は給与水準アップ
また、日本政策金融公庫総合研究所が行った「全国中小企業動向調査」の結果では、正社員の給与水準(2013年12月時点)を前年同月と比較し、「ほとんど変わらない」と回答した企業の割合が64.2%で最も多かったのですが、「上昇した」と答えた企業の割合も34.1%ありました。
賞与についても、「ほとんど変わらない」と回答した企業の割合が56.0%で最も高かったのですが、「増加」と答えた企業も29.3%ありました。
賃金総額(2013年12月時点)の前年同月比は、「増加」と答えた企業の割合が46.0%、「ほとんど変わらない」が43.8%でした。
◆約3割の企業で正社員が増加
次に、従業員数(2013年12月時点)の前年同月比は、正社員では「変わらない」と答えた企業の割合が51.4%、「増加」と答えた企業の割合は31.5%でした。
正社員が増加した理由を見ると、「将来の人手不足に備えるため」が47.3%でトップ、「受注・販売が増加したため」(36.3%)、「受注・販売が今後増加する見通しのため」(28.9%)が続きました。
一方、正社員が減少した理由については、「退職者・転職者があったが人員補充できなかったため」が64.6%でトップ、「受注・販売が減少したため」(17.2%)、「もともと人員が過剰だったため」(9.9%)が続いています。